小春日和に誘われて、東寺の弘法市へ。
境内は彼岸の入りも重なって、すごい人出。
人波に溺れそうになりながら、植木屋や古道具屋をみて歩く。
この日の一番の収穫物はコレ。
ほこりだらけの木箱の中、すすけたコケシやさびたハサミといっしょに
ゴロンとひとつ、どうにでもなれという風情で泥にまみれてころがっていた。
しゃがみこんで、まじまじ見る。手にとると、ずっしり重い。
全身、緑青でまんだらこ。そしてなんともいえない存在感。
好きだなあ、こいつ。
かなり、きこしめしている、昔極道かじってました風の古道具屋の
おやっさん曰く、
「これは火のしとちゃうか、昔のアイロン。
柄はとれてるけどな、どやっ、300円。」
買う、買う、買う。いただきます。
おやっさんの酔いのさめぬうちにと、そそくさと新聞紙につつんでもらい
ホクホク抱いて帰る。
柄がとれて、まるで片口のようになったそのひょうきんな姿。
年代物の緑青の景色はなにやら窯変を思わせる。
きっと、働き者だったんだろうな、こいつ。
かくして、わたしのお宝となりました。
2007年3月17日土曜日
ライト商会
2007年3月10日土曜日
花咲か爺気分。
なんと桜が咲いた。
二ヶ月前の寒風吹きすさぶ一月中旬、バッサバッサと切られた桜の古木。
もらってきて染料に使い、残った枝を壺に生けておいた。
灰色のガサガサした枯木のような枝から、ここ一週間、
急にムクムクと蕾がふくらみはじめ、
蕾の先っちょがピンクに色づきだしたとたん、
手品のようにあれよあれよというまに今度は花が咲き出した。
どこからみても本物の花。
まるで「枯木に花を咲かせましょう」の花咲か爺気分。
早くも一足お先にお花見を楽しんでいる。
でも、桜の花って不思議。
眺めていると、花のむこうに、なぜか死んだ人のことを思い浮かべてしまう。
ああ今年もきれいに咲いた、春が来たぞと浮き立つ気持ちの裏側で、
こっそり死んだ人のことを思いだしている。
そして、年々、思い出す人の数がザクザクふえていく。
桜って、やっぱり、不思議。
二ヶ月前の寒風吹きすさぶ一月中旬、バッサバッサと切られた桜の古木。
もらってきて染料に使い、残った枝を壺に生けておいた。
灰色のガサガサした枯木のような枝から、ここ一週間、
急にムクムクと蕾がふくらみはじめ、
蕾の先っちょがピンクに色づきだしたとたん、
手品のようにあれよあれよというまに今度は花が咲き出した。
どこからみても本物の花。
まるで「枯木に花を咲かせましょう」の花咲か爺気分。
早くも一足お先にお花見を楽しんでいる。
でも、桜の花って不思議。
眺めていると、花のむこうに、なぜか死んだ人のことを思い浮かべてしまう。
ああ今年もきれいに咲いた、春が来たぞと浮き立つ気持ちの裏側で、
こっそり死んだ人のことを思いだしている。
そして、年々、思い出す人の数がザクザクふえていく。
桜って、やっぱり、不思議。
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