2008年12月2日火曜日

次はシカ

我が家にはさほど広くはない菜園がある。
年々いい畑になってきてると思うが、どうだろう?
なにせ人力で、いつもどこかに何か植えてあるから
一挙に全面改良というわけにはいかない。
すこし手を抜くとあっという間に後戻りしてしまうから
これでもけっこう気を遣っているつもりだ。

作り始めてしばらくしたら、イノシシがやってきた。
一度おぼえると、しつこくやってきてメチャクチャ。
しかたなくサクをした。
モグラもやってきた。やはりミミズを食べに来る。
これはナフタリン作戦で防衛している。


こんどはシカだ。
なんの足跡だろうと思っていたらブロッコリーが丸裸。
例年、年を越してからヒヨドリが葉っぱを食い尽くすが
今回はヒヨドリの分はなし。
おまけにブロッコリーも食べられなくなってしまった。
このままだと、エンドウ豆の新芽まで食べられそうなので、
サクをかさ上げ。

この頃は9時を過ぎると山道でシカに出くわすことがある。
野菜の頭でシカを見るから、ちっともかわいくない。
広い畑だったら、サク代だけで大変だったぞ。

これで後はサルのみ。
これだけはどうしようもない。
あきらめてます。

2008年11月23日日曜日

岡崎あたり

息子が国立近代美術館で開催中の
「エモーショナル・ドローイング展が素晴らしかった」
と言うもんで、散歩がてらに見に行ってきた。

まあ、それほどでもないなというのが感想。
小品が多いだけではないだろう。
今年初めに近江八幡でみたアールブリュットでは
「すごい」と思ったが、その感じはなかった。

60年代後半から70年代前半のダイナミズムの記憶が
見る側の視線を曇らせるのだろうか?とも思うが
それではアールブリュットを説明できなくなる。

ものを作り出す原点が問われている感じがするが
自分の場合あまいからむずかしいよ。ほんと。


2008年11月11日火曜日

ありがとうございました

代々木上原「うつわや」での個展が無事終了しました。
東京では、はじめての個展でいろいろ心配でしたが、
たくさんの方においでいただき、心よりお礼申し上げます。

個展直前までは、ものがひしめきごったがえしていた
仕事部屋も、いまではすっかりガラーンとして
さびしいような、うれしいような気持ちです。

この部屋から、とび立っていったものたちが
皆様のおそばでかわいがっていただけることを
願っております

            坂田菜穂子

2008年11月9日日曜日

学習発表会

小学校の学習発表会を、見に行ってきた。
以前は2月の寒い時期に行われていて、
体育館に運びこんだこたつの中に入っても震え上がっていたが
11月に行われるようになってからは、けっこう楽チン。

低学年の発表はいつ見てもおもしろい。
高学年になると、テレクサイとかハズカシイとかの気分が
こちら側にも伝わるのか、こちらもナカナカ素直に見れない。

子どもの描くサツマイモの絵をみても
低学年の子は画面いっぱいにサツマイモを描いているのに
高学年になるにつれて、いろんなバランスを考えるのか
サツマイモそのものを愚直に描けないようだ。

成長するというのは、ムズカシイのよね。多分ね。


2008年11月3日月曜日

水都大阪での一日

次男がサントリーミュージアムで行われている、アートストリーム2008に
出店してるので大阪に行くことにする。
3人の子どもをつれて海遊館に行ったのはだいぶ前のことだから
久しぶりの大阪港だ。
100あまりのブースがありざっとながらも全部見て歩く。
若い人のやっていることは、けっこうおもしろいのだが、
「なんじゃこれ!」というのはなかった。残念。
次男はポストカードや板絵を出しているのだが
「風が強くとばされる」とぼやいていた。
この季節になると海ではけっこう風が吹く。

先週の日曜日には音海の筏に釣りにいった。福井県に入った
あたりから、雨がふりはじめてここから引き返すのもくやしいからと思い
予定どおり釣りをしたが、メチャクチャな風とよこなぐりの雨で
いろんなものは飛ばされるし、サンザンだったのを思い出した。

帰りは地下鉄で肥後橋まで行き、長男の働いている仕事場をみせてもらう。
土佐堀川のそばに建っているちょっと古めの4階建てが会社。
ここらあたりでもまだかすかに潮の匂いがする。
なかから見える橋は筑前橋だし、もよりの駅は肥後橋だし
さっきまでいた大阪港から続く海路の延長線上にいろんな藩の蔵屋敷
などがあったのだろう。
海上交易といえば莫大な富の集積があったはずなのに
外からみるかぎりではそのおもかげはない。

長男はもう家をでてしまったが、この町中から毎日終電を使って
炭山まで帰ってきてたのかと思うと、若く体力があるとはいえ
よくやったよなと、ちょっと感傷的な気分にもなった。

とにかくよく歩いて、よく見たが、海と川を背景にして
よけいに心豊かになったような気がした。







2008年10月14日火曜日

迷い道ぐるぐる

いよいよ東京での個展が近づいてきた
目下、最後の悪あがき状態
あれやこれやと迷い多き、悪戦苦闘の日がつづいた
結局わかったことは、自分が好きなもの、
自分が使いたいものしか作れないということ

楽屋話になるが、たとえば1つのバッグを作る
でき上がるまで、実際手を動かして作っている
時間より、頭の中で迷っている時間の方が圧倒的に長い
・・・形は、素材は、色は
・・・ポケットの位置は、ボタンの色は、ステッチの幅は
たった1つのバッグが作り上がるまで、ほとんど迷っている
その迷路を抜け出る決め手になるのは、最後は
自分のモノサシ
自分が好きか、使いたいか
これしかない
いつしか、迷路の中で右往左往することも
ひそかな愉しみになってきた


2008年9月28日日曜日

お山の小学校の運動会

我が家の子どもたちも卒業した、ちっちゃなお山の小学校の運動会。
こういう地域だから他の行事も盛り込まれていて、なかなかにぎやか。
「あの子はどこの子どもさん?」とか「あの人は何という人?」とか
聞きながら、いろいろな話をいろいろな人とする。
そしてけっこうたくさんの種目に参加する
ハードなのは遠慮するのはもちろんのことだが。

来年もまた参加することになるだろうが、あの子が
こんな風におおきくなったのかと思えるのは楽しいことだ。
いろいろなことをしながら実りの秋が過ぎていけばいい。


2008年9月15日月曜日

到来物

一昨日友人 I さんから小包が届く
あけてびっくり玉手箱。なんと松茸!
立派なやつが二本。堂々と竹皮の箱のなかで
南天の葉をしいておさまっている。秋の味覚の
王者、そのカンロク十分な風格ある姿形。

しかしだ、ふふふ。
実はこれ、紙でできているのだな
ティッシュを丸めて、焦がして、松茸もどきに
してあるのよね。でも、すっごいリアル
本物より本物らしい
しかも永谷園のまつたけのお吸い物の匂いまで
つけてある。この芸の細かさ、こだわりぶり

I さん、しっかり驚かせてもらいました
笑わせていただきました
感服つかまつりました

2008年9月1日月曜日

フラメンコと釣り

先週の金曜日は、北区の北文化会館でフラメンコの鑑賞。
「フラメンコ、見に来てくれない?」と知人からたのまれた。
彼女がフラメンコ教室に通ってるなんて
全然知らなかった。おどろきました。

全部で15曲くらいあったかな。
カンテもいいし、生のギターもすばらしい。
しかし出てくるダンサーは皆女性、男の生徒さんはいないんだ。
いろんなことに積極的なのは女性の方だから仕方ないか・・。
フラメンコは背中と指先で決まる。
けっこう本格的で、楽しかったし素晴らしかった。

日曜日はまた釣り。
今度は知り合いの車に乗せていってもらったが、
紀北町(尾鷲の近く)は遠い、遠い。
自分は例のごとく五目釣り。知人二人はダンゴ釣り。
雨が多かったせいで、釣果はいまいち。
ときどき小雨に打たれながらも
海の上でユラユラと一日過ごすのは気持ちいい。
次回は自分もダンゴ釣りにちょうせんしよう。




2008年8月24日日曜日

地蔵盆

8月も終わりに近づくと、ここらあたりでは地蔵盆だらけになる。
我が家では、一人は地蔵盆は日本中いたるところで行われてると
思って育った者。
もう一人は京都に出てくるまで、地蔵盆を知らなかった者。
地蔵盆はあって当たり前と思う者と
地蔵盆にはどんな意味があるのか、ふと考える者との差は大きい。

今年は地蔵盆に藍染めの時間がもうけられて、うちの奥さんが
簡単なしぼり染め教室をひらいていた。
子供会が100円均一でそろえたTシャツを染める企画もよかったのか
参加者はいっぱいだった。

最近は子どもたちも忙しいのか、遊び回る声の聞こえない
夏休みとなってしまったが、
ワイワイガヤガヤ、大勢で一時を楽しむ
これが地蔵盆なんだろう、多分。

地蔵盆が終わるともう秋だ。




2008年8月16日土曜日

ニューヨーク  ニューヨーク

家から歩いて10分以内に10軒以上の風呂屋が
ひしめく風呂屋乱立地帯で育ったせいか、いまだ
町を歩いていても、風呂屋ののれんにフラフラ
誘いこまれる。「ゆ」の字が手招きする。

先日も実家に帰ったとき、近くの源ケ橋温泉に
入ってきた。ここは全国銭湯ランキング第一位に
輝く有形文化財指定の風呂屋だ。まさに郷土の誇り。
商店街の路地を入ったどんつきにある戦前からの建物
入口の屋根の上には、自由の女神像。しかも二人、
しかも二人とも、かなりの老体。古色をまとえるだけ
まとったその姿に、なんでここにおるん?とつっこみ
たくなる。どうやら入浴とニューヨークの洒落らしい
この場違いさは、それしかない。
女神像のその上には、これまた風雪に耐え抜いた
しゃちほこが二匹。老体に鞭うってしゃっちこばっている。

店開きの3時ちょうどに入ったら、レトロな脱衣場には
すでに湯から上がったおばあちゃんが三人。それぞれ
レトロなからだで涼んでいる。開店時間も、客にあわせて
もうええかげんらしい、このユルさ。
洗い場の戸を開けてキョロキョロしてたら、中にいた
おばちゃんが、洗面器はここにあるのを使ったらええよ、
すっとんできて教えてくれる。見ず知らずの私に、あれやこれや
と入浴指南してくれる。ほっとけへんのやな、こんな世話やきの
おばちゃん、昔ようけおったなあ。
大阪の湯が、毛穴の奥へじんわりしみこんでいく。
まだ陽の高い湯舟から天井を見上げていると、子どもの頃の
遊び場でもあった数々の風呂屋のことが思い出される。
映画館と風呂屋の数だけはふんだんにあるゼータクな環境だったよなあ
いまでは風呂屋は激減、映画館は壊滅状態。
自由の女神もさぞかしさびしいにちがいない。

2008年7月14日月曜日

鬼ヶ島の笛吹き

「鬼のいぬ間の洗濯」というけれど
私の場合は「鬼のいぬ間の笛吹き」だ
鬼というのは、うちの(雑役)夫のこと
家仕事なので年中家にいる。おまけに出不精
そして、笛嫌い。とりわけ私が吹く笛の音が
特にきらい。理由は簡単、ヘタだからだ。
こそこそ遠慮しいしい鬼にきらわれながら
笛の練習をはじめて、かれこれ十数年
腕のなさか鬼の迫害のせいか、ちっとも
上達しない。
十年前と同じところを、今もきっちりまちがえる。
まちがえる箇所を指が正確に記憶しているらしく
みごとにまちがえる。ハンで押したように
ヘタにもならないがうまくもならない
たまーに、鬼も歯が痛くなるときや、ペンキを
塗りたくなるときや、竿をふりまわしたくなる
ときがある
歯医者やホームセンターや釣りへ、鬼が消えた
すきをねらって、ここぞとばかり笛を吹く
さすが音色がちがう
同じ笛とは思えないうっとりする調べ
つまづく箇所もすらすらクリアー
抑圧がないと、こうもちがうのか
バッハもモーツアルトもヘンデルも
メドレーで吹きまくる
もしや、うまなったんちゃう・・・
しかしだ、鬼が帰館するやいなや、あら不思議
指は固まり息が乱れる
元のヘタに正しくもどっている
かくして鬼は私のヘタな笛をますます嫌う
鬼退治なしに私の笛上達の前途は暗い

2008年7月7日月曜日

釣り

7月の初め、神野浦に筏釣りに行った。
6月の初めにも神野浦で釣りをしてるし
鳥取の帰りには、舞鶴の赤レンガ博物館に寄ったので
この一ヶ月の間に3度も高浜あたりをウロウロしたことになる。
午前3時に出発したが朽木あたりではすごい数の鹿を見た。
車には慣れているらしいが、それでもはねられた鹿もいた。

この日は海もないでいたが、釣果もおとなしい。
ただ暑いだけでうんざりしたが、次の機会に期待して帰路につく。
それにしても往復250kmのガソリン代も高くつくものになってしまった。
自分の仕事にも影響しているだろうが
いじましくならずにガンバロ!


2008年6月24日火曜日

鳥取・豊岡

「アートスペースキノシタ」さんには、染織のほうは
以前からお世話になっていたが
今回は陶器のほうも展示していただく
「坂田工舎」の個展となったので、鳥取を訪れた。
このところ続いていた大雨も小康状態の中無事到着。
常設の商品を片付けて、陶と布がきれいに展示されていた。
どうもありがとうございました。

帰りは豊岡の「メルサ」さんに寄る。ここも初めての訪問。
宿泊の手配までしていただいて、ありがとうございました。

どちらでも電話でお話するだけではわからないことを
いっぱいお聞きすることができた。
もっと早くお会いすべきだったのだろうが、
人との出会いはすばらしいことを実感させてくれた
2日間でした。

2008年6月16日月曜日

雨あがり

朝おきて新聞をとりにでたら、
ポストの上で、何かキラキラ光っている
うちのポストには、まな板くらいの苔むした
屋根がついている その苔の中に、いつのまにか
植えたおぼえのない多肉系植物が育っている
ド近眼プラス老眼アンド眠けまなこを近づけ
よーく見る
昨夜の雨粒が、ガラス玉のようにコロコロと
はっぱの中で光っているのだ 
雨あがりの朝、世界はまだまだ美しい
新聞片手に、なにやら得した気分

2008年6月8日日曜日

サル・さる

おサルにいすわられたら一大事と思っていたが
5日ほど姿を見せただけ。
どこかから、どこかへ通うとちゅうのおやつが
エンドウ豆だったらしい。
ナス苗の芯も一本切り落としたのはお遊びだろう。
あまり肥料もやらないし、手入れもしてない畑だから
おサルも立ち寄る気がなくたったとみた。
一安心だ。

何年かに一度、思い出したように里芋の苗を買ってくる。
今年は種芋をまいてみた。土のなかでくさっているのでは
と思わせるほどの長い時間をかけて芽を出した。
非常にかわいい。
いもの品種名は「土垂れ」、白土三平の忍者武芸帳の世界だ。
古くからある野菜の名前には面白いのがある。
打木源助なんていう大根なんか、とてもかっこいい。
どこか肩肘はって、余裕をなくした今の社会では
こういうネーミングはできないような気がする。

2008年6月2日月曜日

さる・くる

やってきました、おさるさん
だいじなだいじな王様の畑に
おなかがすいていたのか、
えんどう豆をつまみぐい
できのわるい小さなじゃがいもなぞ
みむきもせずに、ようやく実った
まさに食べ頃のえんどう豆ばかりを
ぽりぽりと
さやから器用に豆だけだしてたいらげていきました

日夜もぐら軍団とのたたかいに明け暮れていた王様
意表をつかれて呆然自失
このところ、からっぽになった豆のさやをみつけるたびに
カラスを疑ったり、イノシシをあやしんだり
はては、わたしに「豆、食うた?」
犯人がおさるだとわかったとたん、
王様いっきに肩をおとして、早やあきらめモード
きっと知恵くらべでは勝てっこないと、
しっかり自覚されているご様子

2008年5月26日月曜日

個展おわりました

5月23、24、25と短い会期でしたが
「坂田和章」陶展、無事終了しました。

いたらぬところも多々あったのではないかと
反省ばかりですが、会場にまで足を運んでくださった皆様方に
この場を借りてお礼申し上げます。


6月19日から29日までの日程で
鳥取市の「アートスペースキノシタ」さんで
「水無月の食卓」坂田工舎個展を行う
予定です。


2008年5月13日火曜日

個展のご案内

毎年この時期に合わせるように、「空 鍵屋」で個展をしますが、
3度目の今回は、陶器を主に展示し、壁面を飾る布も展示します。
よりシンプルでしかも手に取りたくなるような作品作りをめざしました。

わずか3日間の個展になりますが、近くにお越しの時には
お立ち寄りください。

2008年5月12日月曜日

おごれるバラ

バラの季節だ
うちにもバラはある いままで数々のバラを植え、数々のバラを枯らしてきた私だ
それでも懲りず、もうこれが最後と、割り箸ほどの細いモッコウバラの苗を植えたのが十数年前
はじめの数年は、つぼみがついては涙ぐみ虫がついてはハラハラし花が咲いては舞い上がってよろこんでいた
せっせと世話をやき気をくばり可愛がりまくった
いつの日かこれでアーチをと夢みた頃もあった
ちいさな弱々しかった苗木は、珍しくすくすく育っていった
開花時期が、学校の家庭訪問の時期とちょうど重なり、どの先生も子供のことはほめなかったが
バラのことは必ずほめたたえてくれた ところがだ このバラ、どういうきっかけか、いきなりグングンモクモクすごい勢いで急成長
切っても切っても、めげずくじけずへこたれず
毎年更なる強靱な枝をグイグイ伸ばす
アーチどころではない 柱をよじのぼり二階のベランダにからみつき領地拡大に日夜もえている
その姿からは、「のさばる」という言葉しか思いつかない
おまけに、このバラ、隣のカロライナジャスミンと意気投合し、両者固く結束し、仲よく連れ立ち
ベランダへ手に手をとってよじのぼってくる 互いの仲はそうとう深い
いまや、洗濯物もふとん干しも、両者の侵攻におびやかされつづける毎日だ
二種の黄色の花が満開に咲きほこる姿は、たしかに美しい
美しいが美しすぎて、げんなりする そのおごれる美しさは強迫的だ まいりましたと目を伏せる
なぜかあの弱々しかった頃のバラがなつかしい 
おごれるバラよ、いきつくところまでいくしかないのか

2008年4月23日水曜日

鳥居

家の前にたつ八幡宮の鳥居を5年ぶりに塗り直した。

5年前までは、ペンキが重ね塗りしてあり、
下地ぬりを含めた、4層のペンキがいたるところではげて、めくれあがりかわいそうなくらいだった。
業者に頼んでも2年くらいしか持たないし
地元の者でなんとかならんかな?の声があがるなかしかたなく引き受けてしまった。
4層のペンキをとにかく木肌が見えるまで落としてしまうので、しっかりとした足場を組み
電動工具を動員しての、けっこう大変な作業だった。

ペンキを塗っても、同じことの繰り返しになってしまうし
どんな材料を使うのか、ずいぶん考えたが最終的にオスモカラーに落ち着いた。
ドイツ製の顔料系の塗料で重金属による発色ではないと説明してあったと思う。
オスモの下地剤をぬって2日まち、オスモカラーを1回塗っては2日まち
もう一度塗ってから足場を解体するのに2日まつという作業時間より
待ち時間のほうが長いという、今のこういう作業のテンポにはなかなか合わない
手間のかかる作業だった。

5年ぶりの今回は簡単な足場を組み、前回と同じとなりの陶器づくりの人と
2人で塗り直したが、めくれもないしはげてもいないし、汚れをこすりおとしてから
かんたんに塗ってお終い。
あと1回塗れる分のオスモカラーがあまってしまった。
年取ってくるとあんまり高い所に上がるものではないと思うがどうなるやら。

去年から塗り直しのことを、総代さんと顔をあわすたびに「どんなもんやろ?」と言われていてので
見事に咲いた近所の大島桜のような気分になった。(どんな気分?)

2008年4月16日水曜日

陶器まつり

今年は二日間とも好天気に恵まれたなかで桜まつりも無事終了。
毎年お手伝いにかけつけてくれる人や、顔見知りの人たちで大変にぎやかだった。
陶器まつりもいろんなところで行われていて新鮮さは失われているが
この陶器まつりは場所にも時期にも恵まれてのんびりとした雰囲気がただようのがいい。
30年以上も焼き物を作っているがこれからおいしい器が作っていけるかどうかは
気持ちの持ちようひとつにかかっていると思う。

とにかく2日間の行事を無事に終えることができました。
どうもありがとうございました。

2008年4月3日木曜日

町の春

山にかこまれた田舎ぐらしをしていると、時折無性に、排気ガスや
地下鉄の人ごみの匂いが恋しくなるときがある
山の春はもうおなかいっぱい味わっている
ここらでひとつ、町の春も味わってみたい

てなことで大阪へ
淀屋橋から川沿いに歩いて10分、土佐堀川のほとりにたつグラフへいく
いい感じに古びたグラフビルディングの階段を4階まで上がると、いきなり
白い根っこのオブジェのようなヤドカリのオバケのような物体がおでむかえ
ーこれは いったい 何者なんだ!
さんさんと光が入り土佐堀川の苔色の川の流れが見渡せる空間に
キュートな多肉系植物やユニークなはっぱの観葉植物が楽しげに
並んでいる どこからかもってきて飾ったというより、ここで生まれて
すくすく育ちましたという顔をして
グラフの家具や生活雑貨が配された広々した空間と植物が
すっかりなじみ合って、緑の温室のようだ
互いが互いをひきたてあっている心地よい光景
ーうむうむ、私も帰ったらさっそく心を入れかえ植物とのつきあい方を
考え直さねば どうもいままでおちゃらかいきあたりばったり過ぎたようだ
あまりにも無軌道無計画無思想だった

とかなんとか ムラムラ園芸熱を沸騰させながらグラフ向かいの
国立国際美術館でアボリジニ「エミリー・ウングワレー」展をみる
ぶっとぶ迫力 すごすぎるおばちゃんである このエネルギーの噴射は
ただごとではない 神がかり的である
アールブルュト、アウトサイダーアートと通底しあう魂のゆさぶりを感じる
やっぱり町の春は刺激的だなあ





2008年3月24日月曜日

寒い冬が過ぎたら急に初夏のような日が続きいろんな花が一度に咲き始めた。
前は実のなる花ばかりにひかれてそんな低木ばかり植えたことが多かったが
ほとんどカミキリ虫にやられてしまって残っているほうが少なくなった。
こんなところにも自分のいじましさが現れている。

カミキリ虫対策として銅線を根本付近に巻いておくといいとの話を聞き
花ゆず、梅、バラ(グラハムトーマス)などに巻いたが
酸化した銅線は木の雰囲気にとけ込んでしまいどれに巻いたかすっかりわからなくなる。
バラなど根本に線がくいこんで枯れてしまったし、ほかの木もそのとき確認したら危ういところだった。

写真の花はクリスマスローズと水仙。
なぜこの時期にクリスマスの名前がついた花が咲くのか
もう20回以上も説明を聞いたと思うが記憶はあいまいなまま。
水仙も同じく何回聞いても品種を忘れてしまうから困ったものだ。
もうじき草との戦いになるから、この時期の花は
ゆったりした気分で見ることができ、いっそうきれいに見える。





2008年3月17日月曜日

春はジャズにのって

いっぺんに春
ここ数日、朝はうぐいすがさかんに鳴きかわす声で目がさめる
夜は猫の悩ましい鳴き声が、窓の外の暗がりを震わせている
どうやら春はイキモノの恋の季節でもあるらしい

そんなこんなで、春のうららかな陽気に誘われ私もオンモにでた
行き先は近くの宇治川畔にある「宇治日和」、生のジャズピアノコンサート
ピアニストは嘉勢太務(かせ たいむ)さん 京都芸大音楽部作曲専攻4回生
23歳のヒゲが似合う若きピアニスト 何故か数学検定準1級所持者
どうもピアノをあやつる人に数学好きな人が多い 頭の中の同じ回路部分をつかうのかしらん

しらふで、しかも昼間のジャズの生演奏は初体験
アルコール抜きでも真っ昼間でも、やっぱジャズは生がいい
長い冬のあいだに固くかじかんでいた身とこころが、心地よく解凍されていく
これで生ビールでもあれば、もっと解凍はすすんだにちがいない

ゆるゆるほぐされた気分で「宇治日和」喫茶室でおいしいコーヒーとケーキをいただく
テラスのむこうを、春の光を浴びた宇治川がきらきら輝きながらゆったり流れていく
あたかも、五線譜を流れる春の旋律のように