2007年6月12日火曜日

春菊

畑の春菊の花が満開。
「おまえはほんとに春菊かい!?」
と疑いたくなるほどの神々しい美しさ。
不思議なことに、同じ種から黄金色のと、
白に黄色のライン入りとの二種類の花が咲く。
丈夫でたくましく、倒れても踏まれても、
雪にも霜にもめげず、何が何でも咲く。
そして、うちの過保護な庭の花なんかより、
しゃくにさわるがよっぽどきれい。
冬は鍋やごま和え、おひたしで舌を楽しませ、
今は、花畑になって目を楽しませてくれている。
そして、そして、この花が驚くほどよく染まるのだ。
花だけ摘んでコトコト大鍋で煮だす。
鍋のふたをとるとモウモウと薬草めいた花粉の匂い。
魔女気分でグラグラする鍋の中をかき混ぜる。
 写真は天竺木綿の袋を染めたもの。
みょうばん媒染でグレープフルーツのような黄色(左)
鉄媒染でわさび色(中)
銅媒染でからし色(右)
食べて見て染めて、一粒で三度おいしい。
春菊三段活用。
私、内田春菊も含め、春菊ファンです。


2007年6月3日日曜日

イワナ

6月3日 日曜日 曇り
今春、東京に就職した長男が私用で帰ってきたこともあり
朽木渓流魚センターに釣りに行った。
先週のウキも動かなかった海釣りのカタキ討ち。
小学生の時に釣り堀に落ちた長男にとってもカタキ討ち。
釣れて当然だけど、イワナが28匹つれた。
本当は29匹になるはずだったけど、29匹目を釣り上げた長男は、
釣り堀に流れ込む、側溝にはまってしまい、またもやズブぬれ。
カタキ討ちは次回に持ち越しとなってしまった。

その後、「音」葛川店を訪ねる。
大津パルコに子供服のお店「雅楽」、などを展開するオーナーの細井さんから
「今春オープンした、音葛川店で個展をやってみませんか?」という
お電話を2週間ほど前にいただき、下見と打ち合わせのための訪問。
はじめてお会いする細井さんは30代半ば。
落ち着いた雰囲気と、秘めたる情熱が感じられる人でした。
その若い熱意に応えられるのかは分からないけど、
10月6日から10月8日、坂田工舎の個展を「音」葛川店で開かせてもらうことに決定。
(詳細が決まりしだい、HPで紹介します)

持ち帰ったイワナの塩焼きはおいしかった。



2007年5月27日日曜日

九州旅行 - 後編

次の日は別府に向かう行程。日之影町、高千穂町から蘇陽町を抜け、
阿蘇山の麓をぐるりと一周してやまなみハイゥエイへと入ることになる。
出発してまもなく、道路と併行してのびる高千穂鉄道の線路は、
おととしの台風による被害の影響で運休したまま。
線路は赤サビ、草も伸びほうだい。
日之影町の家並みはバイパスにかかる陸橋の200mあまり下に見える。
あと何年後かこの道を走ることがあるとすれば、この風景はどうなっているのか、
少し感傷的な気持ちになった。

阿蘇山は、すばらしい晴天なのに、ひどい黄砂がかかりまったく見えなかった。
やまなみハイゥエイでは、途中でジャージー牛の群れに出くわしたら、
車を止め、鼻ヅラをサク越しになでたかったけど、
雄大・広大なこの地のどこにいるのやら、
ほとんど、影さえみえず、そのまま由布院に出てしまった。

由布院では岩下コレクションを訪問。6年前の開館時に訪れて以来。さらに充実していた。
150台の世界中のバイクの旧車。かなりの数の、戦前から戦後にかけての生活雑貨から、電化製品。
もともとは宝珠山に開いたコレクション館が由布院に6年前に移転したとのこと。
そのため、宝珠山にゆかりのある高倉健関連の物もかなりの数が展示されている。
バイク好きにも、雑貨好きにもこたえられないコレクション館だと思う。
半永久有効の半額割引券ももらったけど、大事にとっておきます。

由布院の中心部はあまり興味がないので素通り。
そのまま山岳道路をかけあがり、鶴見岳周辺から一気に別府へと下っていく。
さて、次は「ワンダー・ラクテンチ」。この前(10年以上前?)は「ラクテンチ」だったけど、
経営母体が変わったのか、今回は「ワンダー」がついている。
「ワンダー」はいいけど、以前「ラクテンチ」の時に有った案内標識が見あたらない。
あぶないけど、道路のUターンを繰り返しながら、ホームページで調べておいた電話番号に電話。
別府の町を知らない者には、なかなか分かりづらい説明だったけど、ようやく到着。

ケーブルカーにのって遊園地に上がっていくのだけど、ケーブルカー内のアナウンスがすばらしい。
紙芝居のはじまり、はじまり。の感じ。
温泉は4時までの入場と聞いてあわてて風呂に入る。300円だった。
別府の町が眼下に広がる。いつもはカラスの行水タイプなので、
こいうところに来ると、必ず湯あたりをおこし、フラフラ状態になってしまう。
こんなにお客が少なくてどうやって経営が成り立っているんだろうか?と思うが
そのため動物や鳥たちはストレスがないらしく、すごく健康的にみえる。
タイムスリップしたような場所から下界に下り、別府港に着いた。

今回はレトロな旅だったんだ。





九州旅行 - 前編

ひさしぶりの帰省もかねて、関西汽船の大阪南港ー別府航路を利用して旅行に出た。
別府下船後は、関アジ、関サバで有名な佐賀関経由で臼杵に到着。
まず、石仏さんたちを拝見。山からせりだした岩の部分に石仏が彫ってある。
やわらかい性質の岩らしいが、それにしても彫りはかなり緻密、精巧。
鎌倉から平安時代にかけての作との説明があるが、
石仏の顔の雰囲気は、インドっぽい雰囲気が濃い。
仏教の歴史にはうといけど、シャカの仏教が儒教などの影響をうけながら
今の仏教に変遷していく、各地の段階の違いを現しているのかもしれない。
それにしても人はすごいことをなしとげる。

その後となりのヤマコ臼杵美術博物館を見学。
この地の遺跡群からの発掘品と、1600年に入城した稲葉家の螺鈿細工を中心としたお道具類。
小さいながらもなかなか見ごたえのある博物館でした。
これらの文化的遺産をみると、臼杵はおおくの物と金の集まる場所だったんだと思う。

次は臼杵市街。まず野上弥生子文学記念館を訪問。
野上弥生子が芥川龍之介に「自殺のススメ」を語ったくだりが面白かった。
次に荒物屋さん。我が家は荒物屋さんが大好き。
タナカヤ荒物店は造船関係の仕事が中心らしく、昔仕入れて売れ残っている
雑貨品はどうでもいいらしく、ホコリをかぶって棚の上に残ったまま。
おかげで写真の竹カゴと、つるべバケツを買うことができた。
しかも昔の値段のままらしく2つで、1.350円。これは良かった。

翌日は、実家近くの港に釣りにお出かけ。4時間ほどいたと思うけど、
ウキが一度も動かなかった。残念。
だけど、この時期に宮崎から鹿児島にかけてでしか食べられない、
「キビナゴ」の刺身を食べることができた。
本当にひさしぶりに食べたけど、うまかったなー。
ところで、おいしい干物も作っている、この魚やさんで聞いたけど、
アジ、サバの干物は、一本釣りの魚と、網であげた魚とでは3倍ほども値段が違うらしい。
ようするに死に方の違い。なるほどね。





2007年5月20日日曜日

庭園贅沢

いつのまにやら、坂田工舎では、畑は和章、庭は菜穂子の支配領分となっている。
かつては、領土の区分があいまいで常にいざこざがたえなかった。
畑に花の種をまいて、ひともんちゃく。
花壇に野菜の苗を植えこまれて、また、ひともんちゃく。
花より団子派の畑の王様は、どうも花などチャラチャラして喰えないものが
自分の領土に侵入してくるのが許せないらしい。

彼の目下の天敵はモグラ。
この撃退法に、かなり資本投入していると思われる。
(投入額に関しては、決して口を割らないから)。
ホームセンターやネットで何やら購入しては、すぐ効果がなくなり、
日夜、次の対抗手段を模索している。
どうやら、モグラの方が王様よりかしこいらしい。
今までも、畑には、サル、イヌ、シカ、イノシシが攻め込んできたし、
空からは、カラスやヒヨの常連さんたちも狙っている。
そのもっと昔は、家の三人の子どもらが一番の天敵で、
イノシシ以上に、種をまいた畑の畝の上をあばれまくってくれた。
でも、今の王様の最大の悩みの種は、ひたすらモグラ。
地中からトンネルを掘って潜入してくる憎っくきゲリラ軍団。

だけど、被害の及ばない庭の女王様にとっては、モグラって嫌いじゃない。
むしろ、好き。サングラスかけて、シャベルで、せっせとトンネル掘ってさ。
けなげじゃん。いじらしいじゃん。
かくして、こういう女王様の態度がどうも王様の逆鱗にふれるらしい。

因みに写真はモグラ擁護派の女王様のガーデン。




2007年5月14日月曜日

野菜の季節

ようやく、野菜苗の植え付けが終わった。
小さな畑だけど、草引きや支柱立てなどの準備になかなか取りかかれず、
いつもより10日ばかり遅れて、やっと畑らしくなった。

とれたて野菜のおいしさは格別だけど、
旬の頃になると、毎日同じ野菜を食べてるような気がする。
子供が、二人も出て行ってしまうと、一回あたりの消費量もへってしまい、
ますます同じ野菜と向き合う回数が増えてしまうことになり、
植え付けや、種まきに少しちゅうちょする。
買ってきた苗だし植えなきゃもったいないかな、そんな気分もちらつく中での作業になるが
畝におさまった苗をみると、いつもどおりの初夏が来たようでほっとする。

年々成長してきた木香バラがアーチをつくりだした。
あまり強い香りはないけれど、このくらい花の数がそろうと
さすがに甘い香りがはっきりとわかる。
すきとおるような光の中の花々を見るにつけ
年々、この季節が好きになっていく。

2007年5月6日日曜日

展覧会終了しました

今日6日は、朝からシトシトと雨が降り続き、
昨日までの連休3日間の疲れをいやすような、静かな連休最後の一日でした。

たくさんの方に来ていただき、「空 鍵屋」での個展を無事に終えることができました。
本当にありがとうございました。

これからもよりよい作品ができるよう、がんばっていきたいと思っています。











2007年4月29日日曜日

草ボウボウ菜園

今度の個展の作品が、半分ほど焼き上がった。
今日は2つ同時に窯を焼いている。
この時期になってしまうと陶器の方は制作しても間に合わないので、
今さらジタバタしてもしかたないというあきらめにも似た心の余裕ができる。

久しぶりに我が家の小さな菜園をじっくり見てみると、草ボウボウ。
「4月の末にこんなに草はえたっけ!」という感じ。
エンド豆のつぼみのすきまから白い花がかすかに見えるのと
鈴なりのネギボウズの他には野菜といえるものはなにもない。
雑草もじっくり見てみると四季折々の顔があって、
季節感を感じさせてくれるのだが、それにしてもたくましすぎる。

そういえば庭の小さな池のカメが時々顔を見せはじめた。
24才のカメは冬眠から目覚める度に少しずつ大きくなって
今では、家人いわく僕の顔ほどの大きさになっているらしい。
このカメは子供が小さかったときにせがまれて飼いはじめた。
これまでにチャボ、ウズラ、錦花鳥、猫、犬等いろいろ飼ってきたけど
今では、ほとんどほったらかしのカメと金魚しかいなくなった。

子供が小さかったときは、忙しがった筈なのに、
どうやって、いろんなことをしていたのか、不思議な気持ちになるのだが
もうあいまいな記憶すらたどれなくなっている。






2007年4月22日日曜日

"日々是好日"展

万緑の候、いよいよ来週からゴールデンウイーク。
坂田工舎の「日々是好日」展も3日からはじまる。
目下、シュラバ。布から出る綿ぼこりと、土から出る土ぼこりがせめぎあって、
家の中は、わやくちゃ状態。作品展前はいつも「日々是騒日」。
こういう時に限って、きまってアイロンがプッツンしたり、ミシンがエンコしたりする。
加えて、裁ちバサミが雲隠れし、買ったばかりの糸がいくら捜しても見つからない。
(糸は冷蔵庫の中、裁ちバサミはなぜかゲタ箱の上にあった)

今回の作品展では、ふだんの生活の中で、そばにあると
ほんのりうれしくなれるものを、めざして作った。
そのほんのりが、いつものくらしを、ちょっぴりうれしくさせるものなら、なおうれしい。

菜穂子の方は、大好きな麻素材を中心に
柿しぶバッグ、草木染めタペストリー、革小物など。
和章の方の陶器は、まだ焼成待ち。
当日は、焼きたてアツアツのをご覧いただけると思う。




2007年4月17日火曜日

女の花道

桜も、いよいよ花吹雪となって散りぎわクライマックス。
地面に舞い散った花びらは、小さな女の子がぬぎ落としていったタビのようにも見える。

山間部の当地では、今が満開。
いつも車で走る山道は、四季折々、さまざまな花木で彩られる。
今は山桜や大島桜、つつじ、黒文字、にわとこ,こぶしなどがみごとである。
これからは新緑の萌黄色のアーケードとなり、藤の花が山々を薄紫の滝のように流れる。
近くにバイパスができたので、今はこの山道を利用する車もほとんどなく廃道状態。
時々、鹿やたぬきに出くわし。きじが道を横切っていく。
私はひとりひそかにこの獣道化した山道を「女の花道」とよんで
季節の移りかわりを楽しませてもらっている。

写真は山道途中の桜の大木。
左下にちんまり止まる車は、我が愛車ロバのパーくん(パジェロミニなもんで)
この愛すべき老体のロバは、急カーブ、急傾斜だらけの山道悪路を
ぐちもこぼさず忍耐強く、ひたすらトコトコ走りつづけてくれている。
冬の雪道、氷のスベリ台となった凍結峠も、ロバの意地、底力を発揮してくれた。
気分はもうアンデス山脈を行くロバ気分でいるらしい。

しかし、最近、このロバを困らせることがある。
乗り手がうわついているのである。
急カーブの向方にある山桜なんぞにみとれて何度か谷底に転落しかかっている。
本当にこわいのは冬の凍結時より、花の咲き乱れる今の季節かもしれない。
けなげなロバに申し訳ない。




2007年4月8日日曜日

むかいの神社

この地に移り住んで30年以上になるが
はじめて山ザクラがソメイヨシノよりも先に花をつけた。
これから、山ザクラはソメイヨシノより先に花を付ける木になるかもしれない。

ところで、向かいの神社の桜が花をつけた。
幹に枝を差し込んだような、おおきな生け花のような
不思議な美しさがあった。

刈り込まれた時は枯れてしまうかもしれないとも思っていたが
こんなにしぶとく天に向かって花を咲かせる桜もまたいい。
生きていてくれたから。 
そう思った。


2007年4月1日日曜日

黒いヤカン

どうも そそぐ形のものにそそられる性分のようで、
ジョウロ、ポット、ピッチャー等に滅法弱い。ついフラフラといくつも手元に集めてしまう。
でも、ヤカンだけは別。これだけは、よそ見せずひとすじさんだった。(写真右側)

三十数年前、結婚祝いに妹が贈ってくれたものだ。
若い頃の堀立て小屋生活の中で、この銅のヤカンは、そこだけ場ちがいに光り輝いていた。
何回かの引越しにも、これだけは手にぶらさげてきた。
あれから幾星霜、台所の片すみで、私たちのさまざまなシュラバを黙ってみつづけてきたのだ。
ヤカンがもの言わぬ存在で、ほんとによかった。

銅磨きでせっせと磨いていた頃もあったが、今はもう、あるがまま。
古傷だらけの「人生ヤカン」である。そろそろ引退の潮時らしい。
そこでやってきたのが写真左側のヤカン。黒いホーロー製。
JR山崎駅前のレリッシュというお店でみつけた。
大山崎山荘、サントリー蒸溜所、レリッシュ。この三つは私の山崎ゴールデントライアングル。

これからの日々を、この黒いヤカンと過ごしていくつもり。
武骨でたのもしい、シュラバのよき相棒になってくれそうな予感がする。

2007年3月25日日曜日

東寺の弘法市

小春日和に誘われて、東寺の弘法市へ。
境内は彼岸の入りも重なって、すごい人出。
人波に溺れそうになりながら、植木屋や古道具屋をみて歩く。

この日の一番の収穫物はコレ。
ほこりだらけの木箱の中、すすけたコケシやさびたハサミといっしょに
ゴロンとひとつ、どうにでもなれという風情で泥にまみれてころがっていた。
しゃがみこんで、まじまじ見る。手にとると、ずっしり重い。
全身、緑青でまんだらこ。そしてなんともいえない存在感。
好きだなあ、こいつ。

かなり、きこしめしている、昔極道かじってました風の古道具屋の
おやっさん曰く、

「これは火のしとちゃうか、昔のアイロン。
          柄はとれてるけどな、どやっ、300円。」

買う、買う、買う。いただきます。
おやっさんの酔いのさめぬうちにと、そそくさと新聞紙につつんでもらい
ホクホク抱いて帰る。

柄がとれて、まるで片口のようになったそのひょうきんな姿。
年代物の緑青の景色はなにやら窯変を思わせる。
きっと、働き者だったんだろうな、こいつ。
かくして、わたしのお宝となりました。

2007年3月17日土曜日

ライト商会

骨董屋、ライト商会三条店に行ってきた。
店主の佐藤さんは私たちとは学生時代からの友人。
去年の十一月ごろライト商会+坂田工舎で企画、制作した
電笠の写真を撮ってきた。
ライト商会のうす暗い店内で電笠は淡く光ってました。

ビリケンさんもちゃんとご在宅(ご在店?)
四谷シモンの百ン十万円もする人形もまだありました。
(このごろは「坂田さん買わない?」との声はかからない、当然だけど)
少しだけまじめに今後のお互いの活動について話をし、
ライト商会の看板猫、金太郎にあいさつをして帰宅。

猫はいい。この世に流れる計算や打算を少し
はぐらかして生きているような気がして、いいもんです。
風はまだ冷たかったけどいい一日でした。






2007年3月10日土曜日

花咲か爺気分。

なんと桜が咲いた。
二ヶ月前の寒風吹きすさぶ一月中旬、バッサバッサと切られた桜の古木。
もらってきて染料に使い、残った枝を壺に生けておいた。
灰色のガサガサした枯木のような枝から、ここ一週間、
急にムクムクと蕾がふくらみはじめ、
蕾の先っちょがピンクに色づきだしたとたん、
手品のようにあれよあれよというまに今度は花が咲き出した。
どこからみても本物の花。
まるで「枯木に花を咲かせましょう」の花咲か爺気分。
早くも一足お先にお花見を楽しんでいる。

でも、桜の花って不思議。
眺めていると、花のむこうに、なぜか死んだ人のことを思い浮かべてしまう。
ああ今年もきれいに咲いた、春が来たぞと浮き立つ気持ちの裏側で、
こっそり死んだ人のことを思いだしている。
そして、年々、思い出す人の数がザクザクふえていく。
桜って、やっぱり、不思議。

2007年3月3日土曜日

桜の枝

この前、向かいの神社の木々が
丸ぼうずに近い大剪定をうけた。
高さ30mの樫の木や銀杏の木、桜の木等々
樹齢不詳の大物ぞろい。
重機を使った大がかりな作業であった。
丸2日にわたる作業が終わると何か変。
まるでタテガミを刈りとられたライオンのよう。

小さな神社だけど、重みのある、
不思議な存在感は、大きな木々たちが
作りだしていた陰の中にあったとは!

すてられる寸前の桜の枝で
染めてしあげたバッグ。
すでに固いつぼみをつけはじめていた
桜がやさしいピンクの色に変身。

かつて緑陰の中にあった
神社の形見の品となりました。




2007年2月24日土曜日

ひなまつり

写真のおひなさまは
20数年前娘が生まれたときに私が作ったもの。
親指大の豆びなで、仕事場にころがっている陶土をひねって素焼きし
彩色して作った。お道具も細々いろいろ作ったが
現存するのは、ミニカップゼリーの空き容器に和紙を貼ってできた
ぼんぼり一対のみ。他はいたずら盛りの子どもらの魔手によって
年々どこかへ消え去っていった。


さんざんもて遊ばれ、欠けたりはがれたりしたひな人形だが
毎年この時季になると、私はいそいそと飾る。
いまはもう、いたずらする子どもらも消え去って
家に残るのはじっと動かない
退屈そうなひな人形だけである。


2007年2月23日金曜日

春とまな板

うぐいす、ふきのとう、花粉症・・・
春の使者三役がいよいよでそろった。
洗濯物を干していると
裏山の方からうぐいすの初音がきこえる。
庭の梅の木の下から、ふきのとうが緑の顔をのぞかせている。
そして、花粉症の息子のクシャミが日毎激しさをましてきた。

台所で絹さやのすじをとっていると、皿の上でたまっていく
さみどり色の絹糸のようなすじのクルクルした形が美しい。
捨てるにしのびない、春の音符を思わせるそのリズミカルで繊細な姿。
うーん、これで何かもう一品できないものか・・・
けちでくいしんぼうの私は、きまってこの季節
まな板の前で絹さやのすじに悩まされている。


2007年2月16日金曜日

ビリケン

通天閣がみえるディープな大阪で育ったので
ビリケンさんとはへその緒がつながった身内気分でいる。

写真のビリケンさんは我が家の守り本尊。
エプロンを作った残りの麻布に
私がチョコチョコと刺繍して作った。
ここぞというときに、手をあわせず、
足の裏をなでて願いごとをする。
どことなく末っ子の赤ん坊のときの顔に似ている。

ほんとは友人がやってる骨董店ライト商会の煤けた
ガラスケースの中にいる木彫りのビリケンさんが欲しいのだが
こわくて値段がきけないでいる。
店へ行くたび、まだ売れていないのを確かめほっとしている。


2007年2月14日水曜日

seu jorge

SEU JORGEのCDは菜穂子が仕事をしながら
よく聞いているもの
なんともいえない深みのある暖かい声にひたりながら
ロナウジーニョへのフェルトシューズを夢見ているのかも・・・

CLAPTONのCDは和章が仕事中によくかけるもの
いろんな辛酸な経験のなかから復活し成長を続ける
CLAPTONにあやかろうとしているのかも・・・

ヒヤシンスがとてもきれいに咲きました
これからふと想ったこと、目についたことを
つづっていこうと思ってます。