2007年3月10日土曜日

花咲か爺気分。

なんと桜が咲いた。
二ヶ月前の寒風吹きすさぶ一月中旬、バッサバッサと切られた桜の古木。
もらってきて染料に使い、残った枝を壺に生けておいた。
灰色のガサガサした枯木のような枝から、ここ一週間、
急にムクムクと蕾がふくらみはじめ、
蕾の先っちょがピンクに色づきだしたとたん、
手品のようにあれよあれよというまに今度は花が咲き出した。
どこからみても本物の花。
まるで「枯木に花を咲かせましょう」の花咲か爺気分。
早くも一足お先にお花見を楽しんでいる。

でも、桜の花って不思議。
眺めていると、花のむこうに、なぜか死んだ人のことを思い浮かべてしまう。
ああ今年もきれいに咲いた、春が来たぞと浮き立つ気持ちの裏側で、
こっそり死んだ人のことを思いだしている。
そして、年々、思い出す人の数がザクザクふえていく。
桜って、やっぱり、不思議。

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